※SS
ランスロット視点のお話
ガウェインとパーシヴァル、彼らとは同じ円卓の騎士であり同僚であるというだけで、それ以上に関わり合うことは無かったし、関わるつもりもなかった。
しかし風の騎士は、僕らの間に少しばかりの友情をもたらした。
いや、違う、義理のようなものだ―これまで互いに気にもとめなかった関係だったのが、挨拶を交わす程度になった、それだけのことだ。
―だから、これから僕の部屋で茶会をするのだって、そういった仲睦まじいものではない。
普段使わない暖炉を燃やしているのも、埃を溜めないためだ。掃除が面倒だと、使用人がそうぼやいていたから。
普段は気にもしない己の針を整えたのも、今日は整えざるを得ない容貌だったからだ。信じられないほど酷かった、本当に―言葉では、この惨状を伝える術はないほど。
廊下の音に耳をすますのは、そうだな―僕が円卓の騎士だからだ。円卓に席を持つ騎士は、他の騎士や従者から憧憬の念を得るが、その分憎悪の念を持つものたちもいる。
警戒を怠らない者が、栄誉ある死を迎えることができる。死因が闇討ちなんて、情けないだろう。
来た、二人の足音がする。
いや、違う―分かりやすい足音なんだ。僕が音を覚えているのではなく。
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「ランスロット、凍えしんじまいそうだ、早く入れてくれ」
「お茶とお菓子を持ってきたぞ」
「うわ、あったけぇ」
「早く入れガウェイン、茶が冷めるだろう」
「―何だ」
「へ、お前が笑ってるとこ初めて見たなぁって」
「確かにな」
「―いや、これは、」
「―表情筋を鍛えているだけだ。騎士には何時も鍛錬がかかせないものだからな」